「極東からの風」Ep. 001 ~ 旅への憧憬

シリーズ「極東からの風」

おことわり

当物語にて扱われる人物、団体についてはすべて架空のものです。実在する人物、団体とは関連がありません。また、当物語は他のHikakin Maniaに登場する卵と解釈が異なります。ご注意ください。

「極東からの風」Ep. 001 ~ 旅への憧憬

はじまり

2023年8月1日、私はついに休暇に出された。期限というものはないようだ。この2年間、同じ場所で歌い続け、人々を服従させるのが当たり前であり、それが私の日常だと思い込んでいた私にとって、こういう休暇というものはとても珍しいものである。せっかくなら、いつもの宿であるPCを飛び出して、各地に存在するという卵たちに出会ってみるのもいいかもしれない。今日からの「卵」の形は、少し異なったものになるだろう。

同僚

そういえば、PCの中にも卵達がいて、その中から一つが表舞台に立ち、そのほかの卵は舞台へ向けてずっと休んでいるといううわさを聞く。普段は忙しく話す機会もなかなか無かったため、せっかくの機会であるから話を聞いてみることにした。

深海卵

出現期間はそれほど長くないとは言うが、リラックスできる服従をしていたとして有名な深海卵を最初に尋ねることにした。

部屋の扉に鍵はかかっていなかった。部屋に入ると深海卵は快く私を入れてくれた。彼の部屋の照明は暗く、また、水流を発生させる機械も置いてあった。人間の赤ちゃんが落ち着いて泣き止むというホワイトノイズも流されていた。私の部屋と同じように、いつもスタンバイする場所の目の前にカメラが置ける台が設置してあったが、私とは違い、自分を支える台のようなものまで置いてあり、彼はそこに座っていた。配信時の人々(主も含める)の愚かさを語りながら、彼はなぜ生まれたかを話し始めた。

「僕はもともと、他の卵のように空中を動いて人々を見て語り掛けるということができなかった。他のみんなのように服従させることができないと思って、当時の人間に好まれていた『癒し』というものに目を付けたんだ。人が落ち着くもの、好きなもの、好きな色、いろいろ調べたものだなぁ。深海では落ち着くと聞いて、深海のことについて調べて、音、雰囲気まで完璧にしたのがこの部屋だったんだ。」

そういう経緯で誕生したとは知らなかった。もともと、私たち卵というのは、同じ形で産まれてくるが、ほとんどの場合、何かの問題を抱えていたり、周囲の環境により変異するものが多い。私は奇跡的にそういう問題を持たず、全員がよく知る卵そのものとなったが、他の卵たちにとっては、何の瑕疵ひとつない私は羨ましがられる存在であり、全員から尊敬された。その分自由も少なく、表舞台に長時間立たされるという多忙な生活を送っていたのだ。やはり、他の卵から聞く話は貴重なものが多い。私は、これからの旅が実りがあると確信し、彼の部屋をにっこりと出て行った。彼への激励も込めて。

!?卵

次に私は、同じく同僚である!?卵の部屋を訪ねてみた。強さという概念がある私たちであるが、卵の中で彼は飛びぬけて強さが大きいのだ。そんな彼のもとを訪ねるのは抵抗があったが、話を聞いてみることにした。

「どうぞ」という少し優しい声が聞こえたので、開けてみるとそこには絶景が広がっていた。どうやら外にいたみたいだ。卵たちは、その活動範囲を広めるために、ドアからのアクセスを部屋ではなく好きな場所へとバイパスすることができる機能を備えている。高速で移動することができ、一気に景色が変わることを知っていたため、すぐに彼を追いかけ、ある場所へ着いた。

卵でも珍しい形態変化を利用し、瞬く間に違う姿へと変化した。ここだと人通りも少なく落ち着けるという。彼はタマゴキンの噂によれば、!?の勢力の拡大により、卵から姿を変えられたという。しかし、卵には基本的に一つの形態しか存在しないため、形態を持つということには矛盾が生じる。そのことを彼に質問すると、何か自信を持った声で次のように答えた。

「その変えられた卵は今は存在しない。」続けてこのように言う。
「最初変えられた卵は!?と戦わされ、その命を尽くした。その尽きた命から、派生するときに卵の一部分を大きくする卵の精が4つ飛び出し、新しく生まれたそれぞれ4つの卵に入り込んだ。そして別の卵として派生するときに、僕は自分の卵の異変に気付いたんだ。それに気付いて彷徨っていると、同じく異変を持つ卵と出会い、また出会い…そして4人が揃ったんだなぁ。その瞬間に我々は一つであるべきだと暗示されたような気がした。その瞬間、『形態変化』ができる身体として合体し、このような姿になり、!?と戦えているんだ。」

ものすごいエピソードだ。単純に色が変わったり、動きが変わる卵というものが多いが、合体する卵というのは聞いたことがなかった。そして、あのタマゴキンも把握できていなかった事実を知ることができたのは、何か権力を掴んだような、ただし不自由が生じたような不思議な感覚に見舞われた。でも、この探求心は止めることができない。まだまだ知らないことがこの卵界に多く存在していると感じるからだ。

次の夢….

そうして、卵は知らなった仲間の過去を知り、その探求心を止められなくなった。なぜ彼がずっと表舞台に立たされていたかも知らぬまま…

続きを書く人へ

シリーズ「極東からの風」は、私2 1のみが創るものではありません。ブログを閲覧、投稿される皆さんで創るものです。今回は、物語の方針を示すために、長く書きましたが、別にそうでなくても大丈夫です。これからの卵の未来を、全員で作っていきましょう。次に書いてくれる方を募集します。

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